根管治療/根幹治療(歯の神経・根の治療)について詳しく説明

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虫歯(むし歯)<虫歯の治療法<根管治療/根幹治療(歯の神経・根の治療)



根管治療 根管治療2

■ 根管治療/根幹治療(歯の神経・根の治療)とは?
根管治療とは、リーマーやファイルと呼ばれる器具で細菌に感染してしまった歯質や神経を徹底的に除去し、歯の根の病気(根尖病変)を治療・予防するものです。

「Root Canal Treatment」を略して「RCT」とも呼ばれます。

※「根幹治療」は誤字、正しくは「根管治療」です

虫歯が歯髄まで進行(C3以上)した場合や、根の病気になってしまった場合には、この根管治療が必要になります。

しかし、この根管治療(歯の神経・根の治療)は実はかなり難しいのです・・・。

なぜなら、根っこの中は直接見ることができず、形も人それぞれなので完全に細菌を取り除くことが非常に難しく、しかも細菌を取り残した状態で詰め物を詰めたり、クラウン(差し歯・かぶせ物)をかぶせてしまうと、後々細菌が増殖してトラブルが出てきてしまうこともあるからです。

後からトラブルが出てきてしまった場合には、ほとんどのケースで前に治療した詰め物やクラウンなどは作り直さなければならず、最悪の場合は抜歯になってしまうこともあります。

(かぶせ物を外さずに、上から穴を開けて治療可能な場合もありますが、一般的には詰め物やかぶせ物を外して作り直します)



■ 根管治療の動画
下の小臼歯の根管治療をしている動画です


顕微鏡(マイクロスコープ)による拡大画像です


歯の中から膿がどんどん出てきている様子です




■ 根管治療(歯の神経・根の治療)の治療期間
「歯医者に行ってるのに直らない!」というのは、多くの場合この根管治療です。

細菌を取り残した状態で詰め物を詰めたりクラウンをかぶせてしまうと、後々トラブルが出てきて大変な思いをすることになるので、根管治療は非常に重要な治療です。

根管治療の治療期間は早い場合には2〜3回で終わることもありますが、長い場合には1〜2ヶ月位かかることもあります。(私の知り合いで、2年という人もいました^^;)
 
いつまでたっても直らない場合には歯が割れていたり、歯根の形が非常に複雑だったりする可能性もあり、抜歯になったり根の先を切る手術(歯根端切除術)が必要になることもあります。



■ 根管治療(歯の神経・根の治療)の成功率
ラバーダムを使用して、丁寧に治療を行った場合
一般的な日本の保険の根管治療(ラバーダム無し)の場合
: 約 90 %
: 約 50 % 以下

※上記の成功率は、根管治療の初回治療時(初めて神経を抜く際)の成功率です。

※再治療時の成功率は、どんなに丁寧に根管治療を行ったとしても、
  約60%程度だと言われています。

※前歯部など部位によっては必要性が低くなる場合もありますが、
  本来は全てのケースでラバーダムを使用するのが理想です。

根管治療の成功とは

・臨床症状が無い (患者さんが痛み・違和感などを感じていない)
・レントゲン上で異常が見られない、または、異常のある部分が縮小してきている


上記2つの条件を満たしている場合を成功としています。
(症状が無くてもレントゲン上で病気が進行している場合は成功とは言えません)

根管治療の成功率は、どのくらい丁寧に治療を行うのかによって大きく変わってきます。

例えばアメリカの根管治療(歯内療法)の専門医は、治療時にほぼ必ずラバーダムというゴムのマスクを装着して、可能な限り外部からの細菌感染を防ぐように心がけています。

しかし、日本ではラバーダムを使用しない歯科医院のほうが圧倒的に多く、保険で毎回ラバーダムを使ってくれる歯科医院は、おそらく20件に1件もありません。

何も言わなくてもラバーダムをしてくれる歯科医院は、非常に良心的な歯科医院だと思います。

ラバーダムが全てではありません

※ラバーダムさえ使用すれば根管治療の成功率が高くなるというわけではなく、他にも消毒や仮蓋など、様々な要素が成功率には影響してきます。

ただ、丁寧に治療を行おうとする場合にはラバーダムが必要となるケースが多く、ラバーダムはその他の要素と比べて患者さん側から非常に分かりやすいため、当サイトでは特にラバーダムに焦点を当てて説明させて頂いております。

ラバーダム2
【写真提供 : ノアデンタルクリニック(岐阜市) 渡辺 徹也 先生】



■ なぜラバーダムをしない歯科医院が多いのか?
最大の理由は、「根管治療の保険点数が低すぎるから」だと思われます。

日本の根管治療の保険点数はアメリカの約7分の1と非常に低く、普通に治療を行えばほぼ間違いなく赤字になります。

そのため、本来は大学でも使用するべきだと教わっているはずのラバーダムを省略する医院が大多数を占め、また、周りの歯科医院もしていないから、ラバーをしても成功率に差は無いと思っているから、ラバーを嫌がる患者さんが多いからなどの理由で、ラバーダムを使用していない歯科医院が多いのではないかと思います。

ラバーダムの点数が廃止、実質無料に

平成20年の保険改正で、ラバーダムは保険点数が無くなり、実質無料となりました。
(これまでは10点=100円でした)

つまり、ラバーダムを保険で使うことは完全に赤字サービスということになりますので、 今まで以上に保険でラバーダムを使う歯科医院は減ってしまうと思われます。



■ 根管治療(歯の神経・根の治療)の治療費・費用
【保険治療の場合】

約1500〜3000円 (3割負担)
  • レントゲン写真の費用、薬剤の費用、根っこに詰める材料の費用等が含まれています。
  • 治療費は、歯の根っこの数や治療方法によって上下します。
  • これは1本あたりの費用なので、通院回数が増えたからといって費用が高くなるということはありません。(ただし、通院1回につき再診料約130円+貼薬料約50円はかかります)
  • インレー(詰め物)やクラウン(差し歯)の費用は別途かかります。

【保険外治療の場合】

約1〜10万円 (1根管)
  • 治療費は、歯の根っこの数や治療方法によって上下します。
  • インレー(詰め物)やクラウン(差し歯)の費用は別途かかります。
    (根管治療を保険外で行った場合、インレーやクラウンにも保険が使えなくなります)
  • 保険外の治療費は、歯科医院によって大きな差がありますので、上記の治療費とは異なる場合もあります。



■ 根管治療が得意な歯科医院を見つけるポイント
根管治療が得意な歯科医院を見つけるために、患者さんでも客観的に見て分かるポイントをまとめました。

根管治療が得意な歯科医院を探す際には、ぜひ以下のポイントを参考に、ホームページを見たり電話で確認をしたりされてみて下さい。

ただし、以下の条件を完璧に満たす歯科医院は多くありません。(おそらく、20件に1件程度?)
特に保険でラバーダムを使ってくれるような歯科医院は、なかなか見つからないと思います。

しかし、根管治療は非常に大切な治療ですので、ここはぜひ探す努力を惜しまず、少しでも良い根管治療を行ってくれる歯科医院を見つけて頂きたいなぁ・・・と思います。

ただし、ラバーダムやマイクロスコープを使っていない歯科医院であっても、日本の治療費を考えれば非常にコストパフォーマンスは高いということは知っておいて下さい。

理想はラバーダム、マイクロスコープを使用して根管治療行うべきですが、現在の保険の治療費ではさすがにそこまでは難しい状況ですので・・・

「保険でラバーとマイクロを使って!」というのは、「500円で松坂牛のステーキ食べさせて!」と言うのと同じようなものなのです。(原価等を考えると、歯科医院側が大赤字)


ラバーダムの使用

ラバーダムは、治療中に根管内に細菌が進入するのを防ぐために非常に重要です。

また、根管治療の際に使用する薬液から粘膜を保護したり、リーマー、ファイルの誤飲・誤嚥防止にも役立ちます。

実際には根管治療に力を入れている先生の中にも、ラバーダムを使用しない先生はいらっしゃいますが、ラバーダムを使っているのに根の治療に興味が無いという先生はまずいないはずですので、患者さんが客観的に評価できる指標としてラバーダムは非常に参考になると思います。


マイクロスコープ or 拡大鏡(ルーペ)の使用

アメリカの「根管治療(歯内療法)の専門医」の90%以上は、マイクロスコープを使用しています。

しかし、マイクロスコープはまだ日本全国でも1000〜2000台ほどしか無いということですので(歯科医院の数は約7万件)、現実的にはもう少し普及率の高い、拡大鏡(ルーペ)を使用している歯科医院でも良いと思います。

マイクロスコープや拡大鏡(ルーペ)を使用することにより、肉眼では見えないものが見えるようになり、治療において最も大切な診断の精度が大幅に向上します。


【写真提供 : タイヨウ・デンタル・オフィス(文京区湯島) 櫻井 善明 先生】

⇒参考:マイクロスコープ
⇒参考:歯科用拡大鏡(ルーペ)


専門医・認定医の有無

専門医・認定医だから絶対に上手いとは限りませんが、少なくともその分野に関しては期待できる可能性は高いと思います。

しかし、日本歯内療法学会の認定医は全国に160人程しかいませんし(2007年7月現在)、海外の専門医を持っている歯医者さんも本当に数人しかいませんので、専門医・認定医を基準に歯科医院を見つけることはまだなかなか難しいのが現状です。

日本歯内療法学会のHPから、学会の認定医を調べることが可能です。
⇒参考:日本歯内療法学会


専門医や認定医ではなくても丁寧な根管治療をされている先生はいらしゃいますが、客観的に見分けることが非常に困難ですので、その場合にはラバーダム、マイクロスコープの有無などを参考に判断をするのが良いのではないかと思います。

⇒参考:根管治療が得意な歯科医院を探す方法について


当サイトの歯科医院検索システム

当サイトの歯科医院検索システムでは独自のシステムにより、「自信度」を算出しており、こちらから根管治療の自信度が高い歯科医院を検索できます。


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■ 歯の神経を取ることによるデメリット
【根っこの病気(根尖病巣)が出来やすくなる】

歯の神経を取る治療を行った場合、ラバーダムなどを使って丁寧に治療を行ったとしても約10%、一般的な日本の保険の根管治療の場合には50%以上の確率で、根っこの病気が発症します。

根っこの病気が発症し、痛みが出てきてしまった場合には、クラウン(被せ物・差し歯)やブリッジなどを壊して、もう一度根管治療を行わなくてはならないばかりか、場合によっては抜歯になってしまうこともあります。



【歯が黒く変色する】

歯の神経が死ぬと、腐った神経や血液の成分が象牙質に染み込み、歯が茶褐色〜黒っぽく変色します。

ただし、根管治療が適切であればあるほど変色の程度も軽くなると言われています。
(すでに変色してしまっている場合は、根管治療をどんなに頑張っても変色を避けられません)



【虫歯が進行しやすくなる】

歯の神経を取ると痛覚がなくなるため、虫歯が進行しても気が付きにくくなり、いつの間にか虫歯が奥深くまで進行してしまうということが多くなります。



【歯が割れやすくなる】

歯の神経を取っても歯自体の強度は変わりませんが、神経を取る時や虫歯を削る時に歯が削られることによって歯が部分的に薄くなり、割れやすくなってしまうことがあります。

また、神経を取ると噛み合わせの力を感じる能力が低下してしまい、そのせいで歯に過剰な負担がかかって割れやすくなるのではないかという説もあります。


もし神経を取ることになってしまった場合は

上記のような理由から、神経を取った歯は寿命が短くなってしまう可能性が高まってしまうため、できることなら神経を抜かずに治療を進めたほうが望ましいのですが、歯の神経は一度本格的に細菌感染を起こしてしまうと元に戻らないため(不可逆性)、神経を取らざるを得ない場合もあります。

ただし神経を取った歯でも、適切な処置とその後のメンテナンスにより一生持つ場合もありますので、悲観する必要はありません。

歯を失う原因は神経が無くなることだけではありませんし、神経を失ったことで今後の歯のケアについて考えるきっかけになれば、トータルで考えるとプラスになるかもしれません。

実際に悪くならないと歯医者さんには行かないという人がほとんどだとは思いますが、

「悪くならないように歯医者さんに行っていろいろと教えてもらう」

ということが、結局は歯で悩まないようにするための一番の近道ではないかと思います。



■ 根管治療(歯の神経・根の治療)についてちょっと一言
虫歯が歯髄まで進行して根管治療が必要になると、治療が一気に大変になってしまいます。

ここまで来る前であれば治療も簡単で短期間に終わることが可能なので、やはり予防をしっかりとすること、定期的に歯医者に行って早期発見・早期予防に努めることが大切です。



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