ホワイトニングのパイオニアが語る −日本のホワイトニングの歴史とこれから− |
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ホワイトニングの転機
- タレントの女の子が笑ったときにキラッと見える白い歯 -
今でこそ一般的になりましたが、私が日本で初めてホワイトニングサロンを銀座にオープンした1995年当時は、ホワイトニングはおろか歯の美容というようなことは、クリ−ニングやいわゆる「差し歯」以外ほとんど行われていませんでした。
「美容歯科」や「審美歯科」は、高くて怪しいというイメージが浸透していたのです。
そのため「ホワイトニング」と表示しても、何のことかわからず、その都度説明するのに苦労した思い出があります。
その頃はまだ「歯は黄色いほうが健康」という風潮だったのです。
転機となったのは、
「芸能人は歯が命」
という大流行した歯磨き剤のキャッチコピー。
これによって第一次白い歯ブームが巻き起こりました。
芸能人ばかりでなく、一般人にも白い歯に対する欲求が生まれたのです。
利用者も変化しており、変色している歯の方だけでなく、ノーマルな歯の色の方でも、さらに白くして欲しいという希望の方が多くなりました。
ティースアートでも1999年にお台場ヴィーナスフォートにホワイトニングサロンをオープンしましたが、当時は大勢の歯科医師や歯科衛生士が見学に訪れたのを覚えています。
2000年代に入るとホワイトニングを扱う歯科医院や、ホワイトニングサロンが徐々に増加し、一般の方々にもホワイトニングが浸透してきました。
ホワイトニングの歴史
歯のホワイトニングが研究されだしたのは、今から100年以上も前の1844年です。
初めはミョウバンなどを使用しましたが、うまくいかなかったため、1877年からは酸を使用し、歯の表面のエナメル質を溶かして白くしていました。
ただこの酸を使用する方法は、歯の表面を凸凹にして光の乱反射によって白く見せているため、短期間で元の色に戻ってしまいます。
現在のようなホワイトニング剤に光を当てて、歯自体を白くする方法は、1918年に日光浴をしていたDr.Kulsmierによって偶然に発見されました。
その後、1968年には過酸化尿素を使った、ホームホワイトニングの原型ができています。
実用化されたのはホームホワイトニングが1989年で、それまで歯肉炎の治療に使用していた過酸化尿素に、歯を白くする作用があることを偶然に発見し、Dr.MunroのグループとDr.Haywood&Dr.Heymanのグループがほぼ同時に発表しました。
現在では1日発表が早かったDr.Haywood&Dr.Heymanが発見したとされています。
(その後Dr.Munroが研究を盗まれたと異議を申し立てていますが真相は闇の中です)
その後Omni社(現在は3M社に吸収)から世界で初めてのホワイトニング剤"White&Brite"として発売されました。
オフィスホワイトニングは、1991年にDr.Freedmanによって開発され、松風アメリカから”Hi-Lite"が発売されています。
現在のすべてのオフィスホワイトニング剤の原型になっています。
それ以降、オフィスホワイトニングはハロゲンライトから、レーザー、プラズマ、LEDと進化してきました。
ホームホワイトニングでは、より高濃度のものを使用して短期間で白くできるような薬剤が研究、開発されています。
現在では世界中で100種類以上のホワイトニング剤が発売されています。
初めはミョウバンなどを使用しましたが、うまくいかなかったため、1877年からは酸を使用し、歯の表面のエナメル質を溶かして白くしていました。
ただこの酸を使用する方法は、歯の表面を凸凹にして光の乱反射によって白く見せているため、短期間で元の色に戻ってしまいます。
現在のようなホワイトニング剤に光を当てて、歯自体を白くする方法は、1918年に日光浴をしていたDr.Kulsmierによって偶然に発見されました。
その後、1968年には過酸化尿素を使った、ホームホワイトニングの原型ができています。
実用化されたのはホームホワイトニングが1989年で、それまで歯肉炎の治療に使用していた過酸化尿素に、歯を白くする作用があることを偶然に発見し、Dr.MunroのグループとDr.Haywood&Dr.Heymanのグループがほぼ同時に発表しました。
現在では1日発表が早かったDr.Haywood&Dr.Heymanが発見したとされています。
(その後Dr.Munroが研究を盗まれたと異議を申し立てていますが真相は闇の中です)
その後Omni社(現在は3M社に吸収)から世界で初めてのホワイトニング剤"White&Brite"として発売されました。
オフィスホワイトニングは、1991年にDr.Freedmanによって開発され、松風アメリカから”Hi-Lite"が発売されています。
現在のすべてのオフィスホワイトニング剤の原型になっています。
それ以降、オフィスホワイトニングはハロゲンライトから、レーザー、プラズマ、LEDと進化してきました。
ホームホワイトニングでは、より高濃度のものを使用して短期間で白くできるような薬剤が研究、開発されています。
現在では世界中で100種類以上のホワイトニング剤が発売されています。
ホワイトニングの原理
歯はなぜ白くなるのでしょうか。
歯が白くなる原理には3つあります。
① 歯の表面が溶けて凹凸ができ、光の乱反射で白く見える
② 歯が乾燥して白く見える
③ 歯に含まれる着色有機質を分解して無色化し、歯の明度を上げて白くする
この3つです。
①は pHが5.5以下のホワイトニング剤を使用してホワイトニングを行うと、一時的に歯のカルシウムが溶け出します。
これによって歯の表面が荒れて凸凹になると、歯の表面がすりガラス状になり、光の乱反射によって白く見えることがあります。
しかしこの作用は、カルシウムが戻る1時間〜数時間程度で、元に戻ってしまいます。
この現象はホワイトニングの副作用であって、本来のホワイトニングの原理ではありません。
また中性〜アルカリ性のホワイトニング剤を使用したり、フッ素を作用させると、この現象は起こらなくなります。
②も一時的なもので、歯に水分が戻ると、1〜2段階色が戻ります。
オフィスホワイトニングに比べて、乾燥が少ないホームホワイトニングのほうが、この現象は少なくなります。
正しいホワイトニングの原理は③です。
以前は①がホワイトニングの原理だと思われていた時期もありましたが、今では歯科大学などの実験によって、エナメル質表層だけではなく、象牙質まで達していることが実証されており、歯の内部から白くなっていることが確認されています。
このように歯の内部から白くなるため、ホワイトニングシステムによって持続時間が異なりますが、半年〜数年間は続きます。
ただ歯の内部の色も徐々に黄色くなってきますので、完全に色戻りを防ぐことはできません。
歯が白くなる原理には3つあります。
① 歯の表面が溶けて凹凸ができ、光の乱反射で白く見える
② 歯が乾燥して白く見える
③ 歯に含まれる着色有機質を分解して無色化し、歯の明度を上げて白くする
この3つです。
①は pHが5.5以下のホワイトニング剤を使用してホワイトニングを行うと、一時的に歯のカルシウムが溶け出します。
これによって歯の表面が荒れて凸凹になると、歯の表面がすりガラス状になり、光の乱反射によって白く見えることがあります。
しかしこの作用は、カルシウムが戻る1時間〜数時間程度で、元に戻ってしまいます。
この現象はホワイトニングの副作用であって、本来のホワイトニングの原理ではありません。
また中性〜アルカリ性のホワイトニング剤を使用したり、フッ素を作用させると、この現象は起こらなくなります。
②も一時的なもので、歯に水分が戻ると、1〜2段階色が戻ります。
オフィスホワイトニングに比べて、乾燥が少ないホームホワイトニングのほうが、この現象は少なくなります。
正しいホワイトニングの原理は③です。
以前は①がホワイトニングの原理だと思われていた時期もありましたが、今では歯科大学などの実験によって、エナメル質表層だけではなく、象牙質まで達していることが実証されており、歯の内部から白くなっていることが確認されています。
このように歯の内部から白くなるため、ホワイトニングシステムによって持続時間が異なりますが、半年〜数年間は続きます。
ただ歯の内部の色も徐々に黄色くなってきますので、完全に色戻りを防ぐことはできません。
ホワイトニングの安全性
ホワイトニングはアメリカのニューヨーク大学をはじめ、ニュージャージー医科歯科大学、ロマリンダ大学、日本では昭和大学、日本大学、岩手大学など多くの大学や研究機関で、その安全性が確認されています。
また各国の学会でも、ホワイトニングの安全性に関する発表が頻繁に行われています。
光や熱によって歯の神経を損傷する、高濃度の薬剤はエナメル質を溶かすなどといった誤った情報もありますが、薬事法が厳しい日本や、訴訟大国のアメリカで認可されているシステムを正しい使い方で使用していれば、どれも安全性に問題はありません。
この熱ですが、光が強いものだとお口の中に到達した時の温度が50度近くになるものもあります。
実は歯の神経は5.5度以上上昇すると炎症を起こすことがわかっています。
つまりこのまま歯に熱を加えてしまうと、歯髄炎になってしまうわけです。
しかし発熱する機械でも歯髄炎にはなりません。
なぜでしょうか。
それはホワイトニングの時に、ホワイトニング剤を1〜2mmの厚みで塗ります。
これによって、ホワイトニング剤の温度は上昇しても、歯にまでは熱が届きません。
アメリカの有名な研究機関である、CRA(Clinical Research Associates)の研究結果では、ライトの温度が50度だったのに、歯面の温度は37度に満たなかったことが確認されています。
ホワイトニングで歯がしみるのは熱が原因ではなく、お薬の濃度と時間に関係しているのです。
またホワイトニング剤は歯を溶かすというのも誤解です。
ホワイトニング剤に限らず、毎日口にする食べ物や飲み物でも、pH5.5を下回るものは、歯のカルシウムを溶かします。
これを“脱灰”といいます。
脱灰された歯の表面は凸凹して白っぽく見えます。
しかしお口の中の唾液によって、pHが中性に戻ってくると、唾液中のカルシウムが再び歯の表面に戻ってきます。
これを“再石灰化”といいます。
再石灰化が起こると、歯の色も元に戻ってきます。
この現象は、お口の中に何かを入れるたびに起こる現象で、ホワイトニングに限った事ではありません。
ホームホワイトニングを2時間行った脱灰の程度は、コーラを3分間飲んだ時と同程度と言われています。
「ホワイトニングは歯を溶かす」とここだけを取り出すと、あたかもホワイトニングは危険であると誤解してしまいますが、実は普通の飲食と何ら変わりないのです。
また各国の学会でも、ホワイトニングの安全性に関する発表が頻繁に行われています。
光や熱によって歯の神経を損傷する、高濃度の薬剤はエナメル質を溶かすなどといった誤った情報もありますが、薬事法が厳しい日本や、訴訟大国のアメリカで認可されているシステムを正しい使い方で使用していれば、どれも安全性に問題はありません。
この熱ですが、光が強いものだとお口の中に到達した時の温度が50度近くになるものもあります。
実は歯の神経は5.5度以上上昇すると炎症を起こすことがわかっています。
つまりこのまま歯に熱を加えてしまうと、歯髄炎になってしまうわけです。
しかし発熱する機械でも歯髄炎にはなりません。
なぜでしょうか。
それはホワイトニングの時に、ホワイトニング剤を1〜2mmの厚みで塗ります。
これによって、ホワイトニング剤の温度は上昇しても、歯にまでは熱が届きません。
アメリカの有名な研究機関である、CRA(Clinical Research Associates)の研究結果では、ライトの温度が50度だったのに、歯面の温度は37度に満たなかったことが確認されています。
ホワイトニングで歯がしみるのは熱が原因ではなく、お薬の濃度と時間に関係しているのです。
またホワイトニング剤は歯を溶かすというのも誤解です。
ホワイトニング剤に限らず、毎日口にする食べ物や飲み物でも、pH5.5を下回るものは、歯のカルシウムを溶かします。
これを“脱灰”といいます。
脱灰された歯の表面は凸凹して白っぽく見えます。
しかしお口の中の唾液によって、pHが中性に戻ってくると、唾液中のカルシウムが再び歯の表面に戻ってきます。
これを“再石灰化”といいます。
再石灰化が起こると、歯の色も元に戻ってきます。
この現象は、お口の中に何かを入れるたびに起こる現象で、ホワイトニングに限った事ではありません。
ホームホワイトニングを2時間行った脱灰の程度は、コーラを3分間飲んだ時と同程度と言われています。
「ホワイトニングは歯を溶かす」とここだけを取り出すと、あたかもホワイトニングは危険であると誤解してしまいますが、実は普通の飲食と何ら変わりないのです。
ホワイトニングの効果
すでに歯は白くなるか?という議論の時代は終わりました。
普通の歯が白くなるのは当たり前で、現在ではいかにスピーディーに、痛みがなく白くできるか、また薬剤による変色や神経がない歯など、今までは難しいといわれていた歯をいかに白くするか、という研究がされています。
ホワイトニングの効果は、薬剤の濃度、光の波長と強さ、施術時間、配合される触媒などによって変わってきます。
しかしながら全てを高いレベルにするだけでは、効果も高くなりますが、知覚過敏も出てしまうため、実用的ではありません。
痛みなく効果を上げるためには、全てをバランスよく取り入れることが重要で、それゆえにホワイトニングシステムによって効果が変わってくるのです。
普通の歯が白くなるのは当たり前で、現在ではいかにスピーディーに、痛みがなく白くできるか、また薬剤による変色や神経がない歯など、今までは難しいといわれていた歯をいかに白くするか、という研究がされています。
ホワイトニングの効果は、薬剤の濃度、光の波長と強さ、施術時間、配合される触媒などによって変わってきます。
しかしながら全てを高いレベルにするだけでは、効果も高くなりますが、知覚過敏も出てしまうため、実用的ではありません。
痛みなく効果を上げるためには、全てをバランスよく取り入れることが重要で、それゆえにホワイトニングシステムによって効果が変わってくるのです。
ホワイトニングの今後
アメリカでは99.9%の歯科医院でホワイトニングを行っているそうです。
これに対し日本ではまだ40%程度の導入率にとどまっており、残念なことにホワイトニングに否定的な歯科医師が未だに存在しています。
しかしながら、今の状況で黄色い歯より白い歯のほうがいいことは明らかで、ホワイトニングの需要が減ることはまずないと思います。
アメリカではドラッグストアでホワイトニング剤が販売されていることもあって、ホワイトニング市場はすでに飽和状態ですが、日本ではまだまだこれからです。
今後はさらにホワイトニングを受けられる方が増えて、きれいな歯の人がどんどん増加してくるでしょう。
これに対し日本ではまだ40%程度の導入率にとどまっており、残念なことにホワイトニングに否定的な歯科医師が未だに存在しています。
しかしながら、今の状況で黄色い歯より白い歯のほうがいいことは明らかで、ホワイトニングの需要が減ることはまずないと思います。
アメリカではドラッグストアでホワイトニング剤が販売されていることもあって、ホワイトニング市場はすでに飽和状態ですが、日本ではまだまだこれからです。
今後はさらにホワイトニングを受けられる方が増えて、きれいな歯の人がどんどん増加してくるでしょう。
終わりに
ホワイトニングは歯を削らずに白くすることができる画期的な方法です。
これから黄色い歯が主流になる可能性はまずありません。
私が講義を担当している日本歯科審美学会認定のホワイトニングコーディネーターも、2010年3月現在6,000人を超えました。
今後ますますホワイトニングの需要は増えてくるでしょう。
日本でもアメリカと同じように
白くきれいな歯の人が一人でも増えることを願っています。
これから黄色い歯が主流になる可能性はまずありません。
私が講義を担当している日本歯科審美学会認定のホワイトニングコーディネーターも、2010年3月現在6,000人を超えました。
今後ますますホワイトニングの需要は増えてくるでしょう。
[外部リンク ⇒ 日本歯科審美学会 ホワイトニングコーディネーター制度]
日本でもアメリカと同じように
白くきれいな歯の人が一人でも増えることを願っています。
椿 智之 ティースアート (東京都中央区銀座)
2010年5月21日
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ホワイトニングの基礎
ホワイトニングの種類
- オフィスホワイトニング
- ハロゲンライト
- アルゴンレーザー
- スピードホワイトニング
- FAPホワイトニング
- ブライトスマイル
- ZOOM(ズーム)
- BEYOND(ビヨンド)
- LED
- ホームホワイトニング
- デュアルホワイトニング
- ラミネートベニア
- 白い材料を使ったクラウン
- 歯のマニキュア
- ホワイトニング歯磨き粉
- 歯のクリーニング(PMTC)
- ウォーキングブリーチ
ホワイトニングQ&A
- 何で歯が白くなるの?
- 歯磨き粉で歯は白くなるの?
- どのくらい白くなるの?
- いつまで白さは持つの?
- 歯に対して悪くないの?
- 保険は利かないの?
- レーザーって効くの?
- どんな歯でも白くなるの?
- 認可されていない薬剤?
歯科相談室
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