歯科医が教える、良い歯科医師を判断するポイントについて

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特集コーナー


良い歯科医を見抜く12のポイント





歯科医院へ行く前にぜひ読んでおきたい!


「良い歯科医」の定義は性格的に合う・合わないということなどもありますので、一概に決めることはできませんが、それでもやはり抑えておくべきポイントというものはあります。

ただし、これはあくまでも歯科医師である私の目線から考えた「良い歯科医」についてですので、これに当てはまらなかったからといってダメな歯医者さんだというわけではありません。

また、理想論で述べさせて頂きますので、12のポイント全てを満たす歯科医はなかなかいないと思います。その点はご了承の上、お読みください。


1.休診日
2.電話対応
3.説明
4.設備
5.治療時間
6.治療と修繕
 7.予防
 8.余裕
 9.スタッフ
10.担当制
11.ホームページ
12.思いやり


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■ 休診日


最近、「土日祝日も診療します」という歯科医院が増えてきています。

これは忙しくて平日歯医者に行けないという人には大変ありがたいことだと思うのですが、実は大きな問題点もあります。

それは、「セミナーや勉強会、学会は主に土日に行われる」ということです。

歯科医療は日々進歩しているため、より良い医療を提供するためには歯医者になってからも日々勉強し続ける必要があります。

勉強は本を読むというのも有効なのですが、やはり実際にセミナーや勉強会、学会などに足を運んだほうが有意義であると思います。

しかし、これらのセミナーや学会のほとんどは土日に行われていますので、土日に診療をしていると勉強をしに行くことができず、最新の情報から取り残されてしまいがちになります。

ただし、土日は別の先生に病院を任せるという方法もありますし、平日に行われているセミナーもある(矯正関連などは特に平日が多い)ので、これだけで勉強熱心なのかどうかは分かりません。

土日診療は患者さんのニーズでもあるので、ドクターが勉強不足にならないようにシフトを工夫している歯科医院も最近は増えてきています。



■ 電話対応


歯医者さんに行こうと思った時、いきなり飛び込みで行くのでなければまず歯科医院に電話をかけると思いますが、その時の電話対応が実は歯科医を見抜くための大きなヒントなのです!

なぜなら、スタッフの対応には少なからず院長の性格・経営方針が反映されます

細かいところまで気配りができる院長なら、スタッフがぶっきらぼうな電話対応をしていたらまず間違いなく注意をします。

しかし、院長自身もぶっきらぼうだった場合は、おそらくスタッフに注意することも無いでしょうし、もし注意したとしてもスタッフが納得しないのではないでしょうか?

スタッフが納得していない場合、それは電話対応の際にもにじみ出てくるものです。

逆に、院長が患者さんに対していつも真剣に誠意をもって接している場合は、それを見たスタッフも自然とその真似をするようになってくるものです。

何件も回るのが難しい歯科医院だからこそ、ファーストコンタクトである電話対応から得られる情報・雰囲気というものは非常に重要です。



■ 説明


この「説明」をきちんとしてくれるかどうかというのが、良い歯科医を見分けるための最重要ポイントです!

後でもう一度詳しく書きますが、治療を行うことが歯科治療ではありません!

トラブルが起きた原因を究明し、その理由と今後の対策を患者さんに分かりやすく説明して、再び同じようなことが起こらないよう、そして、今後一生自分の歯を守ることができるようにするのが本当の歯科治療です。

このような治療を目差すのであれば、必然的に十分な説明を行う必要性が出てくるのです。

また、歯科治療には様々な選択肢があり、その選択を患者さん自身に委ねられることもありますが、その際にも十分な説明・情報提供を行って、患者さん自身にある程度理解をして頂いてからでないと、本当の意味でその人にとってのベストな選択はできないと思います。



■ 設備


設備が良ければ腕も良い!というわけではありませんが、ある一定以上のレベルの精密な治療を行おうと思ったらどうしても必要になる道具があります。

それは、視野を拡大するルーペ(拡大鏡)マイクロスコープです。

「無くても治療できる!」という先生もいらっしゃいますが、実際に一度使い始めると、もう裸眼での治療は怖くてできない!という歯科医がほとんどです。

もちろん、ルーペやマイクロスコープを使っている=すご腕!というわけではなく、どれだけ使いこなしているのかが重要なのですが、持っていない場合はそもそも使いこなすどころの話ではありませんので、普段使っているというだけでもそれなりに信頼感はアップすると思います。

また、ルーペやマイクロスコープで普段から視野を拡大して治療を行っていると、肉眼での1mmが10mm程に感じますので、繊細なテクニックが自然と身についてきます。

そして何より、拡大していない状態(肉眼)では本当に見えないものが沢山あります

道具が治療をするわけではありませんが、ある一定以上のレベルの精密な治療をしようと思ったら、ルーペやマイクロスコープはどうしても必要になってくる道具です。


マイクロスコープでの診療風景

写真提供 : ネクスト・デンタル(文京区湯島) 櫻井 善明 先生



■ 治療時間


「早い歯医者は上手い歯医者」

と思っている人も多いようですが、それは誤った認識です。

歯科治療は丁寧にやればやるほど、精密に行えば行うほど、時間がかかります。

特に保険治療の場合には、丁寧に治療を行っても、手抜きでササッと行っても、歯科医院側が得られる収入に変わりはありません。

つまり、保険で手っ取り早く稼ごうと思ったら適当に早く治療を終わらせて、多くの患者さんを診れば良いわけです。

そしてこういう歯科医は歯科のことをあまりよく分かっていない患者さんから見ると、短時間で治療を終わらせることのできる腕の良い歯科医に見えることが多く、医院は患者さんで溢れかえっていたりすることが多いというのも現実です。

ただ、歯科医院側も悪意があって短時間で治療を行っているわけではなく、保険の限られた中で精一杯の努力をしている結果そうなってしまうという場合がほとんどですが、いずれにしても、良い治療を行うためには十分な時間が絶対に必要です。

逆に考えると、保険にも関わらず治療や説明に十分な時間をとってくれる歯科医は、良い歯科医である可能性が非常に高いと言えると思います。



■ 治療と修繕


例えば虫歯を削って詰める治療を行った場合、その治療がどんなにレベルの高い治療であったとしても、虫歯になる前の歯と比べると再び虫歯になりやすくなっています。

そのため、虫歯になってしまった本当の原因を取り除かないことには、高確率で再び虫歯が再発し、再治療が必要となります

実際、歯科治療の約7割は過去に治療を行った部分の再治療です。

虫歯というのはただの結果であり、原因ではありません。

そして、虫歯を削って詰めるだけで原因を取り除こうとしない治療は、「治療」ではなく単なる「修繕」と言ってよいでしょう

削って詰めるだけではなく、なぜそうなってしまったのか?どうすれば再発を防ぐことができるのか?というようなことを患者さんに分かりやすく説明し、理解してもらうことができるということが、良い歯科医の条件ではないかと思います。



■ 予防


どんなに良い治療であっても、元々の自分の歯には及びません。

ほとんどの人は虫歯や歯周病になってしまってから、どうやって治療をするのか?ということなどをあれこれ悩むことになるのですが、本当はトラブルが起きる前に、

「どうすれば予防ができるのか?」

ということを知って実行するのが、一番健康にとって有益で、お金や手間もかからない方法です。

特に治療をした部分は再びトラブルが起きやすくなっている事が多いので、今まで以上に予防を頑張ることがトラブル再発防止のための絶対条件になってきます。

以上の理由から、本当に歯を守ろうと思うのであれば、患者さん自身が予防についての知識を身につけることが必須となります

ですので、「治療をしてハイ終わり」という歯科医よりも、治療の前後に予防の指導をしてくれる歯科医のほうが、より良い歯科医である可能性が高いと言えるでしょう。



■ 余裕


歯科治療を行う上で、「余裕」というものは非常に大切なものだと思います。


1.時間的余裕

丁寧な治療を行うためには十分な時間的余裕が必要です。

時間に追われているとどうしても治療が雑になりがちですし、患者さんへの説明もおろそかになりがちです。

診療内容にもよりますが、大体1回の診察あたり、最低30分は欲しいところだと思います。


2.経済的余裕

医院の経営が上手くいっていなかったり、多額の借金を背負っていたりすると、数をこなそうとして治療が雑になってしまったり、ついつい患者さんの状況を考えずに高額な治療を勧めがちになってしまったりする場合があります。

経済的余裕があるのか?無いのか?は、外からはなかなか判断できないと思いますが、経営者側の人間からすれば、かなり大きな要素ではないかと思います。


3.精神的余裕

良い歯科治療をコンスタントに提供していくためには、「精神的余裕」というものが非常に重要です。

これは上記に挙げた「時間的余裕」「経済的余裕」にも影響を受けますが、それ以外にも周囲の人との人間関係だったり、治療に対する自信だったり、いろんな要素が絡んできます。



余裕があるかないかは先生の行動や周囲の状況を見ていれば何となく分かってくると思いますので、あまりにも余裕が無さそうな歯科医院はちょっと注意したほうが良いかもしれません。



■ スタッフ


前にも書きましたが、スタッフはまさに「院長の鏡」です

院長が患者さんに対していつも真剣に誠意をもって接している場合は、それを見たスタッフも自然とその真似をするようになってくるものですし、院長の人間性が尊敬できないようなものであった場合は、スタッフの対応も悪くなりがちです。

院長のスタンスというものはそのまま医院のスタンスにもなってきますので、スタッフを見ればその医院のスタンスがわかると言っても過言ではありません。

また、患者さん思いの院長はスタッフ思いの院長でもあることが多いので、ベテランスタッフが多い歯科医院は期待ができますが、逆にスタッフの入れ替わりが激しい歯科医院には気をつけたほうが良いでしょう。



■ 担当制


良い歯科治療を行うためには、担当制のほうが基本的には有利です

なぜなら、担当制のほうが患者さんのこれまでの治療暦や性格なども深く理解できますので、この患者さんは前にここを治療したから次はこうしよう〜とか、あれをやっても駄目だったから次の手を考えなくちゃ・・・など、個別の患者さんに応じた治療計画を練ることができます。

また、担当制の場合は「この患者さんは私の患者さんなんだ!」という意識をスタッフが感じやすくなりますので、スタッフに責任感も生まれやすくなります。

担当制ではない場合は、「じゃあ君、○○をやっておいて」と患者さんがまわされてくるわけですから、その患者さんがこれまでどのような治療をされていたのか詳しいことがわかりませんし、患者さんの性格もわかりませんので、不利になってしまいます。

ただ、担当制にも落とし穴があり、あまりにもスタッフまかせにしすぎていると、スタッフが間違えたことをしていても院長が気が付かないということもありえます。

ですので、基本的には担当制のほうが望ましいのですが、特に経験の浅いスタッフが担当となったような場合には、院長、もしくは指導係の先生が必ず最終チェックを行うということが必要となってきます。



■ ホームページ


私自身ホームページを500以上作っているので、ホームページに関してはかなりうるさいのですが、「こうすれば良いですよ」というのはたくさんありすぎるので、逆に「こんなホームページには要注意」という視点で書かせて頂きたいと思います。


1.院長の名前や写真が一切掲載されていない

経験上、これは非常に高確率で「危険な歯科医院」である可能性が高いです。

歯科医院にはいろんな歯科医院があるのですが、中には経営をある会社が行っていて、院長は借金で首が回らなくなったような歯科医師をよそから連れてきて、ノルマで縛って治療を行わせているようなところもあります。

そういったところは、ノルマをクリアできない院長はすぐ首を切って別の院長にしたり、ほかの医院で無茶苦茶やってしまった院長を雇っていたりするので、ホームページに院長の名前を出せなかったりします。

普通、歯科医院のホームページに院長名を記載するのは常識ですから、この部分が不明瞭になっているホームページは特に注意が必要ではないかと思います。


2.治療費が一切掲載されていない

実際に患者さんを見てみないと詳しい治療費を出すことはできないのですが、例えばインプラントや矯正など、保険外のある程度の治療費はホームページに記載しておくべき事項だと思います。

治療費だけで歯科医院を決めることは望ましくありませんが、それでもやはり治療費というものは患者さんにとって非常に重要な要素ですので、ホームページに記載しておくことが患者さんのためだと言えるでしょう。

公の目に触れるホームページに料金を記載できないということは、料金を公開する自信が無いとも受け取れますし、もしかすると一般的な相場と大幅にかけ離れているのかも?という不安もよぎります。



■ 思いやり


良い歯科医の条件として「心・技・知」というものがありますが、その中でも特に「心」というものが、良い歯科医の最重要ポイントではないかと思います。

治療の上手下手、知識のあるなしは当然重要な要素ではありますが、

歯科治療にかける熱い心と患者さんへの思いやり。
これなくして良い歯科医は語れないでしょう。


究極的には、

「この先生に治療してもらって失敗したら仕方がない」

と思える歯科医に出会うことができるかどうか?
それしかないのかもしれません。


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