櫻井 善明 先生

ネクスト・デンタル (東京都文京区湯島)
1970 年生まれ
2007 年 1月 歯チャンネル歯科相談室にご登録


歯チャンネルの回答ドクターに登録してから3年が過ぎました。

実は、以前から他サイトの回答ドクターをしていたのですが、
田尾先生から「ウチの回答ドクターもやってもらえないか」とお誘いいただきました。

「本業(診療)の合間に、ちょこっとだけなら‥」と言う事でお引き受けしたのですが、
「どちらが本業か?」と思うくらい、今ではライフワークとなっております(笑)。

まず、回答ドクターになって良かった事、それは「勉強になる」と言う事です。

自分の専門外(口腔外科専門医、矯正専門医、審美歯科専門医など)の先生の意見が聞けること。
また、経験豊富な先生方の意見が聞けることなどはダイレクトに自分の知識となります。

これは日々の診療においても「患者さんへの説明の幅が広がる」事になりますので、
メリットが大きいです。

特に若い先生にはこれから経験するであろう症例に(バーチャルではあるにせよ)
「ベテランの先生方がどのように対処しているのか?」を知ると言う意味でも
事前の知識が得られるので大きなメリットとなるでしょう。

次に、自分が回答すると言う事は「自分でも調べる」と言う習慣がつきます。

「生涯学習」とは言うものの、自分から積極的に勉強すると言うのは
何かきっかけが無ければなかなかできないものです。

しかし、回答ドクターとしてインターネット上で発言すると言う事は
「確かな知識(エビデンス」」が無ければ発言できません。
そのためにはインターネットで調べる事はもちろん、学術誌や商業誌を読み、
セミナー、学会などに出かけて自ら勉強する必要があります。

そして、回答ドクター同士で違う考えや意見を交わす事もあります。
時には自分の勉強不足を痛感させられ、反省する事もあります。
今までの自分の治療を否定されたみたいで憤慨する事もあるでしょう。

しかし、自分で開業して以来、
他のドクターから指摘を受けるチャンスと言うものは他に存在するでしょうか?
ですから、そんな時こそ「自分にとっての大きな勉強」なのだと僕は思います。

客観的に見て、参加前の自分とは知識の差、表現力の差は歴然だと思います。
これはひとえに「歯チャンネルの回答ドクターになった事」に尽きると思います。

回答ドクターになって良かった事の2番目には
「患者さんに選ばれる歯科医師になれた」と言う事です。

相談者からの質問に対し10件、100件と回答するにつれ、
見ている方からも「ああ、このドクターはこう言う考えの歯科医なんだ」と言う認識を持たれるようです。

これは回答ドクターを続けた上での結果であり、付加的なものだとは思いますが、
インターネットと言う性質上、日本国内はもちろん、
海外に住んでいらっしゃる患者さんも対象になると言う事です。

実際に僕の診療室には、北は山形、秋田から。南は兵庫、広島から来院されます。

信じられない事かもしれませんが、イギリスやドイツ、南アフリカに在住の方から
「日本に一時帰国するから、その時に診て欲しい」と言うメールもいただきます。

そして、「歯チャンネルを見ていらっしゃる患者さん」は
初回来院時にはすでに僕のキャラクター、考え方、治療法はご存知なのです。

こちらから「はじめまして」と挨拶しても「先生の考えは理解しているつもりです。
是非、先生の方法で治療を進めてください」と言われます。
まるで「長く文通していた友達が初めて顔を合わせた時のような感覚」です。

もちろん、初診ですからレントゲン検査や口腔内検査をして治療の説明をする事はなんら、
他の患者さんと変わりありません。

しかし「最初から信頼関係が築かれている患者さん」ですから、
こちらの説明に対しても素直に応じていただけますし、
ちょっとでも疑問や質問があれば回答を求められます。

歯科医師と患者さんがスムースに会話ができると言う事は
「歯科治療においてとても大切なこと」である事は言うまでもありません。

逆に全国から「悩んでいる患者さん」がいらっしゃるわけですから
当然「面倒な患者さん」がいらっしゃる事もあります。
しかし、それも「試練」だと思っていますし、また「やりがい」なのかもしれません(笑)。

何はともあれ、「歯チャンネルの回答ドクターになる事」は
「今までに無い新たな歯科診療のスタイル」への挑戦だと思います。
これが開設者である田尾先生の「歯科革命」に繋がる考えなのだと思います。