第12暴露 「海外の歯科事情と日本の歯科事情の裏」
グローバルスタンダードが叫ばれる昨今ですので、今回は海外の歯科事情についての裏情報です。
日本の歯科治療に慣れている人にとっては、驚くような国もありますよ・・・。
アメリカ
まずは、大国アメリカ。この国の特徴は、何と言っても「医療格差」が半端じゃないということ。つまり・・・、
「金のないやつは、良い治療が受けられなくて当然!」
という考えが一般化しています。
日本のような国民皆保険制度はないので、民間の保険に入っていない人は保険は使えません。
これは歯科に限ったことではなく、例えば交通事故に逢って瀕死の状態になって近くの病院に運ばれても、加入している保険のランクが低かったりすると、「うちでは診れません。よそへ行って下さい」と、あっさり放り出されたりします。
(老齢者を対象としたメディケア、及び低所得者向けのメディケイドという公的な制度は一応ありますが・・・。ちなみに、日本の歯科業界も徐々にアメリカ型になりつつあります)
また、虫歯予防に絶大な効果があるにも関わらず日本では反対派がいるという理由で行なわれていない「水道水へのフッ素添加=フロリデーション」ですが、アメリカでは反対派がいようがお構いなしに、多くの州で水道水にフッ素をぶち込んでいます。(さすがにこれは問題になっているようですが…)
また、一般歯科医と専門医は明確に区別され、いくつかの州では専門医にライセンスが必要になっています。
治療費は非常に高く、アメリカで深い虫歯の治療を行なうと、軽く10万円は超えます。
そのかわり、医療水準は最高クラスです。
アメリカでは、「歯が汚い人は生活習慣の悪い人」とみなされてしまうため、歯並びをきれいにする矯正や、歯を白くするホワイトニングも盛んに行なわれています。
また、治療費が高いこともあって国民の予防意識は非常に高く、歯科の知識(デンタルIQ)も高めです。
ドイツ
ドイツには、日本の社会保険制度に似た公的保険制度があり、国民の約90パーセントが加入しています。
ただ、日本では国民は全員社会保険に加入する義務があるのに対し、ドイツでは高所得者や官吏は強制加入ではありません。(高所得者は、公的保険か民間保険かを選択することが出来ます)
公的保険に加入していれば、保険適用範囲内の歯科治療に関しては無料で治療を受けることが出来ます。
しかし、保険でカバーされている範囲は少なく、治療水準は実際かなりやばいみたいです。
一方、民間の保険に加入していれば治療水準の高い治療を受けることが出来ます。
ドイツの歯科事情で特徴的なのは、歯科医師定年制があるということです。歯科医師定年制は1999年から実施されていて、定年は68歳、また、56歳以上は保険医として新規開業は出来ません。
スウェーデン
スウェーデンは、世界的にもトップクラスの各種保障体制が整っている国です。
歯科治療は、なんと19歳までは無料!(矯正も無料!!)
20歳以降歯科治療が必要になった場合には高額な治療費がかかりますが、それでもかなり保険で支給されます。
治療水準は全体的に高く、国民のデンタルIQも高めです。寒い地方では冬場、干し肉などの硬い食材で過ごさなければならないので、歯が抜けるということは生命を脅かすことにもなりかねないという事情から、歯を非常に大切にするようになったとも言われています。
事実、現在でもスウェーデン人は非常に歯を大切にする習慣が身に染み付いていて、学校検診などで虫歯が見つかると授業はさておき、歯科医院へ直行させられることもあります。
国民の虫歯の数は少なく、キシリトール発祥の地でもあり、予防と言えばスウェーデンといった感じです。
イギリス
イギリスの歯科治療は、NHS(National Health Service、日本でいう国民健康保険)とプライベート(自費診療)に分けられます。
NHSでは安い治療費でとりあえず治療が受けられ、プライベートでは治療費は高いけれども、高水準な治療が受けられます。(システム的には、日本と非常によく似ています)
ただ日本と違うのは、イギリスでは歯医者さんが不足しています!
プライベートであれば基本的に待たずに治療が受けられますが、NHSでは順番待ちになります。
虫歯で歯が痛いので治療をしてもらおうと思っても、自分の順番が来るのは半年以上先なんていうこともあるのです!
(日本の大学病院に似ていますね・・・)
そうやって考えると、治療をしたければすぐに治療が受けられるのが当たり前の日本の歯科業界は、良いのかも知れませんね。
(まぁ、最近では歯医者が増えすぎて何とか減らそう減らそう・・・と国はしているわけですが・・・)
韓国
韓国では、日本の国民健康保険に似た国民皆保険制度制度が1980年に導入されたものの、保険でカバーされている治療の範囲は非常に狭く、実質的には自費治療になる場合も多々あります。
そのため、韓国では自費治療でも治療の水準が低いということも珍しくなく、ぶっちゃけた話、日本に帰ってきて治療をしたほうが良い場合もあります。
また、韓国では矯正や審美歯科など、美容に関する歯科治療が非常に盛んです。
(整形やエステなんかも韓国は進んでますしね。ヨン様の前歯も見事な補綴物です)
その他、韓国の歯科の特徴としては、強い父権主義と儒教の影響から、患者よりも歯医者のほうがはるかに立場が上という状況になっています。つまり、「歯医者様、治療をして下さいまし」といった感じです。
「歯医者はサービス業です。患者のことは『患者さん』ではなく、『患者様』と呼びましょう」などという講習が開かれている日本の歯科事情とは、大きく違いますね・・・。
日本
さて、世界の歯科事情を見て頂いた上で、日本の歯科事情を見てみましょう。
まず、日本と言えば「国民皆保険制度」です。この制度のおかげで、虫歯や歯周病の治療の際には、世界的に見ると圧倒的に安い治療費で歯科治療を受けることが出来ます。
しかし、保険が利く治療法や材料は限られていて、しかもその範囲がだんだん狭くなってきています。
(つまり、金がなければ良い治療が受けられない、アメリカに近くなってきています)
とは言うものの、歯が痛くなったらとりあえず、ある程度の治療を安い費用で受けられるというだけでも、世界的に見るとかなり恵まれています。
また、最近では歯科医師過剰が大きな問題になっています。そのため、歯医者さんの数を減らそうと国から歯科大学に入学者数削減の通知が出されたり、歯科医師定年制や歯科医師国家試験の受験回数の制限などが検討されたりしています。
日本の歯科医院の数はコンビニよりも多く、保険点数は非常に低いため、もしも全ての歯科医院が保険診療しかしなかったら、ほとんどの歯科医院はぶっ潰れます。そのため、保険診療だけではなく自費診療を行なうことが医院経営のために必須となってきています。
この傾向はこれから先さらに顕著になると思われ、歯科業界の競争は激化することでしょう。
ただ、競争が起こると患者利益は通常高くなるので、患者さんにとってはありがたいことではあります。
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